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最高裁判所第二小法廷 昭和35年(あ)1096号 決定 1962年11月21日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人高良一男の上告趣意一は、事実誤認の主張であり、同二は単なる法令違反の主張であっていずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。なお、刑法二二五条所定の営利誘拐罪にいわゆる「営利ノ目的」とは、誘拐行為によって財産上の利益を得ることを動機とする場合をいうものであり、その利益は、必ずしも被誘拐者自身の負担によって得られるものに限らず、誘拐行為に対して第三者から報酬として受ける財産上の利益をも包含するものと解するを相当とする。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 池田克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一 裁判官 山田作之助 裁判官 草鹿浅之助)

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